「上手く行き過ぎて、逆に怖さを感じていた」。石丸の不安は後半に入ってから的中する。「3点入ったけど、“入れて良いのかな”、“こんな展開なのかな”と思いながら、前半が終わった。ロッカールームでは“気持ちを入れなあかんぞ”“集中せなアカンぞ”とワチャワチャ言っている。でも、気持ちの中では“3-0やん”という甘い心、隙があった。常に全国大会で1勝しているなら、今日の展開での勝ち方を分かっている。でも、彼らは勝ち方が分からない」。そう続けるのは阪中監督だ。

 前半の帝京第三は失点を獲り返そうとした結果、狙いのサイドではなく中央を急いだ結果、奪われてカウンターを受けていたが、後半はサイドを起点とした攻撃が増えていく。後半22分にはボックス内で粘り強くキープしたFW20小澤波季(3年)のパスから、右サイドのDF12福司楓馬(3年)が決めて1点を返した。

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▽第102回全国高校サッカー選手権
第102回全国高校サッカー選手権