同点に追い付いても攻撃の手を緩めない。「勝ちに行った。振り切って勝ちか負けか。今までなら70、80%ぐらいの(成功する)手を打っていたけど、フィフティフィフティのどうなるか分からない、カウンターを浴びるかもしれないという手を打った」。そう振り返るのは前田監督だ。

 16分には左を仕掛けた山門の大外をFW9小山真尋(3年)が上がってクロスを入れたが中と合わない。39分には中央を仕掛けた金山のスルーパスから、山本がゴール前を抜けたがシュートは枠の外。結果的に追加点を奪えず、オープンな展開になったためピンチもあったが、指揮官の意思は選手に勝利への想いを焚きつけたのは間違いない。

 迎えたPK戦では「肝っ玉が据わっている。練習の時と試合の時での目つきが全く違う」と前田監督が評するGK1山崎晃輝(2年)が一人目のキックをストップ。相手が5人目のキックを外したこともあり、1-1(PK4-3)での勝利となった。インターハイ4強の日大藤沢の次はインターハイ王者の明秀日立(茨城)と難敵が続くが、後半のように積み上げてきた物を発揮できれば白星が見えてくるだろう。

(文・写真=森田将義)

▽第102回全国高校サッカー選手権
第102回全国高校サッカー選手権