安定感増した守備陣が奮起!明徳義塾が高知商に3-0完封勝利でV王手

明徳義塾が完封勝利でV王手

 11月3日、第102回全国高校サッカー選手権高知予選準決勝が行なわれ、明徳義塾高知商を3-0で下して3大会ぶりの全国舞台に王手を掛けた。

 驚くような速さで先制点が生まれた。キックオフ直後の37秒。明徳義塾は右サイドを突破すると、FW葛籠聖斗(1年)がクロスボールを送り込む。FW瓜生真斗(3年)がヘディングで合わせ、いきなり先制点を奪った。

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 このゴールが試合展開を複雑にし、明徳義塾は開き直って前に出てきた高知商の圧に屈してしまう。球際の勝負で競り勝てず、セカンドボールをほとんど回収できない。最終ラインでボールを繋いでも相手のプレッシャーをかわせず、アバウトなパスが多くなった。しかし、ゴール前でメフタ・ラヤン(2年)と下野凌空(3年)のCBコンビが粘り強く対応し、空中戦と地上戦で跳ね返していく。攻撃陣はほとんどチャンスを作れずにいたが、35分に守備陣の頑張りに応える。先制点と同じく右サイドを突破すると、右SB女良明日夢(2年)が中に折り返す。このボールにキャプテンのFW吉田凱(3年)が合わせ、少ないチャンスを生かしてリードを2点とした。

明徳義塾 vs 高知商

 後半に入っても相手の術中にハマり、サイドを崩されるシーンが散見。さらに攻撃的な選手を次々に投入してくる相手の人海戦術にも手を焼き、体力があるアタッカー陣に振り回されてしまう。最終ラインも押し上げられなくなり、自陣で耐える時間帯が続いたが、集中力を堅持。すると、70分にMF徳能伊織(2年)がネットを揺らし、リードをさらに広げた。

 以降は相手にパワープレーを仕掛けられ、より一層苦しい戦いを強いられた。だが、要所を締めて得点を与えない。リードを守り切った明徳義塾が2年ぶりとなるファイナル進出を決めた。

「どんどん相手が前に来たので、それを受けてしまった。でも、しっかり守って、我慢しながら弾いてくれたと思う」とは小松晃監督の言葉。夏場まで大量失点を喫する試合も珍しくなかったが、安定感を増した守備陣が奮起。今大会は4試合で2失点しか喫しておらず、大崩れしなくなった。

 久々の全国舞台まであと1勝。タフさを増したチームが県の頂点を獲りにいく。

 (文・写真=松尾祐希)

▽第102回全国高校サッカー選手権高知予選
第102回全国高校サッカー選手権高知予選