名護 vs 那覇西(写真=仲本兼進)

 時計の針が進むに連れて雨脚も強まり、ボールコントロールが難しい状態。なんとか裏を狙おうとする那覇西の縦パスに対して名護のDFのラインがしっかりと対応し跳ね返す。それでもドリブルで深いところまで進入し、再三得たセットプレーでねじ込もうとしたものの、名護の主将GK松瀬真之介(3年)が壁となり、ハイボール処理も安定していた。

 湯気が立ちのぼるかのような攻防戦はスコアレスのまま80分、さらに延長でも決着つかずPK戦へ。まず見せ場を作ったのは那覇西のGK國吉湊斗(3年)。後攻の名護の一人目を止め、機運を高めた。しかし那覇西は2人目と3人目が枠に収めきれず。一方、2人目以降ミスがなかった名護も最後の5人目で痛恨の失敗。サドンデスへ突入し6人目、ここで決めきれなかった那覇西に対して、名護はキッカーを志願したGK松瀬がネットを揺らし、ついに決着。「守備では一対一、攻撃ではクロスからゴールにつなげるところをもっと鍛錬して全国に挑みたい」と意気込む松瀬を中心に、断固とした守備意識で那覇西の攻撃力を削ぎ続けた名護が念願の選手権初出場を決めた。

(文・写真=仲本兼進)

▽第102回全国高校サッカー選手権沖縄予選
第102回全国高校サッカー選手権沖縄予選