延長に入っても熊本商が押し込む展開が続いたが、後半の91、98分と迎えたチャンスもゴールはならず。城北も99分に左から免田昊河が持ち込んで狙うが最後はポストを叩くなど、100分を戦ってお互いに得点は奪えず、決着はPK戦にもつれ込んだ。

 4人目まで成功した先攻の城北は、熊本商4人目のキックをGK木下がストップ。決めれば決勝進出が決まる5人目のキックを熊本商のGK原秀斗に阻止されたが、木下が熊本商5人目のキックも阻止し、4−3で初の決勝進出を決めた。

 「選手たちも緊張していたと思うが、相手のプレー強度やプレッシャーの早さをしっかり耐えてくれた。やられた場面がたくさんあった中でも、粘り強く、集中を切らさずやってくれた」と、就任6年目の村上監督。得点に結ぶことはできなかったが、「しっかりボールを保持して動かしながらリズムを作り、相手の守備を崩していくサッカーをしていきたい」と話す通り、細かくボールを動かす攻撃は今後の可能性を感じさせた。

 「(決勝で戦う)大津は自分たちよりも力は上だけど、相手を揺さぶりながらテンポを作っていく自分たちがやりたいサッカーをして、点が取れるようにしたい」と殊勲のGK木下。この日見せた集中した守備と個々の技術と発想を生かした攻撃を発揮して、全国常連の大津に挑む。

(文・写真=井芹貴志) 

▽令和5年度熊本新人戦(新人選手権大会)
令和5年度熊本新人戦(新人選手権大会)