攻撃の手を緩めない保善は31分に鈴木が自身の2点目を決めると、この後大野が連続ゴールをものにした。36分に中距離シュートを蹴り込み、アディショナルタイムにはゴール正面22メートル付近のFKを直接ねじ込んで、圧勝劇を締めくくった。

 都立青山の決定機は後半4分の1度だけ。MF寺﨑優太(3年)が強烈な右足シュートを放ち、GKのファンブルを誘ったが、ゴールは割れなかった。しかし大量失点しても最後まで得点を狙う姿勢を崩さず、タイムアップ間際にも城田が精力的に左サイドの突破を試みた。

 保善の佐々木雅尚監督は「相手よりも出足の早い動きを徹底してやることだけを指示しました」と言い、後半に爆発した攻撃力については、「前半は少し運動量が少なかったので、(チーム全体で)守りの仕事をしっかりやろうと送り出しただけです。大量点はたまたまですよ」と謙虚に振り返った。

昨年は中支部予選ブロック決勝で青山学院に0-1の敗戦を喫し、1次トーナメントにも進めなかった。それだけに2次トーナメントに懸ける思いも強いはずだが、指揮官は「きょうと同じで、相手より出足で勝る試合をするだけです」と最後まで控えめ姿勢を崩さなかった。

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▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選
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