日大豊山 vs 霞ヶ浦

 迎えたハーフタイム。見かねた指揮官が檄を飛ばす。

 「受けてしまった。こぼれ球への反応がいつもと比べればなかった。関東大会だからといって格好良いサッカーをやるわけじゃない。自分たちが勝ち上がってくるまでに何をやってきたのか。そこにもう1回に眼を向けさせた」

 後半に入っても相手の縦に速い攻撃に手を焼いたが、強度の高い守備で徐々に中盤でボールを拾えるようになっていく。すると、前線にボールが入るようになり、攻撃にもリズムが生まれた。だが、決定機を作るまでには至らず、拮抗した展開が続くなか、ようやくチャンスを創り出す。

 試合終了間際の80分。最前線でFW吉沢友慶(3年)が身体を張ってボールを落とすと、ここに走り込んできたのは途中出場のFW高萩一翔(3年)だった。左足を迷わずに振り抜き、試合の行方を決定付ける先制点をねじ込んだ。

 土壇場でネットを揺らした霞ヶ浦がこのまま逃げ切り、26日の準決勝行きのチケットを獲得。

 検見川(千葉)を3-0で下した横浜創英(神奈川)と対戦することが決まった。

       

(文・写真=松尾祐希)

▽令和6年度関東高校サッカー大会
令和6年度関東高校サッカー大会