流れを変えた米子北MF5熊谷弾(3年)

 先日のパリ五輪・ブラジル戦で女子日本代表の谷川萌々子が決めた一撃を彷彿させる技あり弾でリードを許すと、以降も自陣で跳ね返す場面が続く。劣勢を変えるべく、中村監督はハーフタイムにFW熊谷弾(3年)を投入。小柄ながらボールキープに長けるアタッカーを最前線に送り込み、流れを引き寄せにかかった。すると、高い位置でパスが収まるようになり、押し込む時間帯が増加。後半6分には樋渡が右サイドからFKを入れると、主将のFW鈴木颯人(3年)が折り返す。最後は熊谷が押し込んで同点に追い付いた。

 これで完全に息を吹き返すと、ロングボールや縦に速い仕掛けを主体に攻撃を展開。13分にはMF山下一圭の右CKに柴野が頭で合わせ、逆転に成功した。

 以降は相手に押し込まれる時間帯もあったが、タフな守りで最小失点に留めた米子北が3回戦を突破。4強に進出した2022年度大会以来となるベスト8進出を決めた。

(文・写真=松尾祐希)

▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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