失点直後、円陣を組んだ市船イレブンはギアを上げた。振り出しに戻された2分後、インターセプトから一気に相手ゴール前にボールを運び、FW13仲野真翔(2年)がキッチリ決めて、翔凜を突き放す。市船が再び試合の主導権を握った。だが、ビハインドの状況をものともせず、ひたむきに挑み続ける翔凜。ゴール前での精度を欠いていたため、2失点目を許さなかったが、最後尾からチーム全体を見渡すGK1ギマラエス・ニコラス・ロドリゲス(3年)が「マジ、軽いぞ!」と叱責していたとおり、特に前半は球際での強度不足が散見された。
スコアは2-1のまま動かず、終了。準決勝進出を果たした市船の次なる対戦相手は、前年度の県予選ファイナルでぶつかった日体大柏だ。11月3日までの1週間で、いかに修正できるか。ピッチに立つ選手たちの「実践する力」がもっとも問われるかもしれない。
(文・写真=小室功)
▽第103回全国高校サッカー選手権千葉予選
第103回全国高校サッカー選手権千葉予選