1日、群馬県高校新人大会決勝が行われ、3連覇を目指す前橋育英と3年ぶりの覇権奪回を狙う桐生第一が激突。群馬県立敷島公園サッカー場を舞台に熱戦が繰り広げられた。
これまで阻まれ続けてきた4強の壁を打ち破り、堂々の準優勝に輝いた選手権の戦いから1ヶ月も経たずして新チーム始動となった前橋育英。まずは前チームのエース渡邊凌磨から「背番号10」を受け継いだ男がスコアを動かす。16分、バックラインからのロングボールにいち早く反応した横澤航平がDFラインの裏へ抜け出し、鮮やかなループシュート。これがネットに収まり王者前橋育英が先制に成功する。
一方、試合序盤の入り方は決して悪くはなかったもののビハインドを背負う形となった桐生第一。それでも前線からのハイプレスを継続すると失点からわずか2分後、カウンターからビックチャンス。自陣から滝沢和司が送り込んだロングボールに抜け出したのは今泉祐哉。迎えたGKとの1対1の局面を冷静に制して桐生第一があっという間に試合を振り出しに戻した。
先制後すぐに同点ゴールを許し、劣勢の展開が続いた前橋育英。それでも落ち着いた試合運びから好機を覗った前半中盤の25分、稲葉智己のラストパスから金子拓郎がシュート。一度はGKに阻まれるも、こぼれ球に再び金子。今度は確実にネットを揺らし勝ち越しゴール。互いに積極的な仕掛けが目立った前半は前橋育英の1点リードで終了、勝負の後半戦へと突入する。
迎えた後半、先にリズムを掴んだのは前橋育英。後半開始と同時に2人の選手交代を行うと、フレッシュな選手を中心に豊富な運動量で桐生第一を上回る。前半から精力的な動きを見せる稲葉、金子を起点に次々とシュートチャンスを作り出した。
攻勢に出る前橋育英の攻撃に対して受け身に回る形となりながらも、同点のチャンスを探る桐生第一は50分、滝沢和司の落としから木暮一樹が狙うと、このシュートに対し足を伸ばした滝沢和司がコースを変える技ありの同点ゴール。3年ぶりの群馬制覇へ諦めない桐生第一が再び試合を振り出しに戻した。
その後互いにチャンスを作り出すもゴールは生まれず。緊迫した試合は2対2で迎えた後半アディショナルタイム、2015年初タイトル獲得へ両者の意地が交錯する中、チャンスを掴んだのは桐生第一だった。主将を務める一宮憲太の右CKに今泉祐哉が飛び込むとこれが値千金の勝ち越しゴール。今泉のこの日2点目が決勝点となり、桐生第一が歓喜の勝利。ライバル前橋育英を接戦の末下し、群馬県新人王者に登り詰めた。