試合終了直後、ある大会スタッフがこうつぶやいた。「あのGK、メンタルが強いですよ。セーブしても決められてもまったく動じていませんでしたから」と。『あのGK』とは桐蔭学園GK51大川晴羽だ。PK戦を見る限り、そうした印象をたしかに抱くが、実際はどうなのか。

 大川に聞くと「PKはもちろん止めたい気持ちはありますが、止めなくてもすべて自分のせいではないので、良い意味で軽い気持ちでやっています」と平然と返したところに、大川の特長がうかがえる。また八城監督も「この3年間で精神的の伸びた選手」と大川の成長に目を細めた。

 そうなるとPKを制するのはやはりメンタルの強さが必須条件。

 「練習から決めていますし、チームとしてPK だったら勝てる自信がありました」と桐蔭学園10人目のキッカーを務めたMF62山本涼。「PK を蹴りたい気持ちで臨んでいました。8人目、9人目のとき、『自分に来い』と思っていました。弱気になってはダメでPKは技術が大事ですが、気持ちが一番」と秘訣を語った。

(文・写真=佐藤亮太)

▽第12回和倉ユースサッカー大会 2024
第12回和倉ユースサッカー大会 2024