そして堀越にとって今回の結果とともに嬉しいのは令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選2回戦を最後にケガで戦列を離れていた主将のDF2竹内利樹人(3年)が復帰したことだ。後半12分から投入されたDF2竹内は右サイドバックから何度もオーバーラップを見せ、5点目の起点となるなどブランクを感じさせないプレーを見せた。DF2竹内は「(ピッチに立った際)ホントにめちゃめちゃ嬉しかったです。ホントにつらかったのでちょっと泣きそうになりましたが、(その涙は)決勝まで取っておこうと」と語った。とはいえ、まだ完全復帰とはいえない状況。それでも「気持ちだけは100%で行こうと思っていたので、どうにかなりました」と振り返った。

 堀越のキャプテンは一般的に考えられるキャプテンとはひと味違う。試合前、ホワイトボードを使った戦術の確認ばかりでなく、交代選手の人選や交代時間まであらかじめ決めるなど、まさにチームの頭脳であり、核となる大きな存在だ。そのキャプテンが不在のなか、キャプテンマークを託したDF13森章博(3年)について、DF2 竹内は「すごく支えてくれ、自分以上の良いプレーを見せてくれました。(決勝まで)連れてきたもらった立場なので、そこは感謝しかないです」と労った。

 復帰の一歩を踏み出したDF2竹内。しかし、視線はその先を見据えている。「昨年の選手権、準決勝(近江戦 1-3)で負けたときから国立に戻るため、この1年間、やってきました。日々のミーティングでは会話にもいれながら『もう一回戻ってくるぞ』という気持ちで来ました。集大成として全員でもう一回、全国に戻っていきたいです」と力を込めた。

 今回を含め、直近5大会で4度の決勝進出を果たしている堀越。「チームは過渡期というか、強豪と言われるチームに入るのか、それとも、うまいけど良いチームだよねと言われる、その際に来ています。そこをみんなで乗り越えたい」と佐藤監督。

 決勝は16日、駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で実践学園と相まみえる。

(文・写真=佐藤亮太)

▽第103回全国高校サッカー選手権東京予選
第103回全国高校サッカー選手権東京予選