やや押し気味に試合を進めるのは福大若葉。4-4-2の布陣から丁寧にボールを繋いで相手陣内に侵入すると、両サイドに位置する遠藤伊吹(2年)と相田蒼太(2年)、さらにはボランチの奥井星宇(3年)が駆け上がってサイドアタックを仕掛ける。一方の高稜は中盤を3ボランチ気味にした3-5-2の布陣。ボールをシンプルに前線に送り、1トップの三木璃稀(3年)の縦の推進力を活かし、あるいはこぼれ球を拾って2列目から吉弘潤平(3年)、柴田拓海(3年)、安部呼人(3年)が押し上げる。

福大若葉vs高稜 (写真=中倉一志)

  守備でもお互いに譲らない。ダイレクトにゴールに向かってくる高稜に対して福大若葉が組織的な守備でチャンスの芽を摘めば、高稜は素早い攻守の切り替えと運動量、そして守備でも球際の強さを発揮して福大若葉にチャンスを与えない。特に攻守に渡ってここぞというところに現れる林智哉(3年)と、最終ラインから高い位置まで広いスペースをカバーする坂元海渡(3年)が目を引く。

  そんな拮抗した展開に変化を加えたのは、後半からピッチに登場した福大若葉の鉄留千尋(2年)だった。左サイドからパワフルに縦に仕掛けると福大若葉に縦への勢いが生まれる。先制点が生まれたのも鉄留千尋(2年)の突破から。左サイドの裏に抜けて折り返したグラウンダーのクロスに山方翔大(2年)が左足で合わせた。55分のことだった。

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▽第103回全国高校サッカー選手権福岡予選
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