今夏の高校総体福岡県大会準決勝の再現となった試合は激しい戦いが予想されたが、意外と思えるほどの大差が付いた。夏の戦いでは東福岡に3-0で勝利して初の全国の舞台への切符を手にした福大若葉は、今大会も制して高校選手権でも初の全国の舞台を目指したが、前後半を通して放ったシュートは僅かに2本と、東福岡の前に何もさせてもらえないままに敗れた。2019年の創部以来、着実に力をつけてきた福大若葉だが、まだまだ厳しい戦いが待っていることを教えられる形になった。それは強豪校と呼ばれる高校がかつて通ってきた道。その壁を乗り越えることで「新鋭」から「強豪」と呼ばれる日がやってくる。それを次のチームに託して今大会の膜を閉じた。
そして東福岡。プレミアリーグWESTで戦い続ける実力は福岡県内ではNo.1であることは誰もが認めるところ。だが、目の前の一戦にすべてをぶつけてくるライバル校のチャレンジを跳ね返せずに、過去3年間の全国大会出場は一昨年の高校総体の1回に留まる。だからこそ今大会に懸ける想いは特別のものがあるのだろう。準々決勝以降の戦いぶりがそれを示している。3年ぶりの全国高校選手権の舞台まであとひとつ。準備は整っている。
(文・写真=中倉一志)
▽第103回全国高校サッカー選手権福岡予選
第103回全国高校サッカー選手権福岡予選