東福岡 vs 東海大福岡(写真=中倉一志)

 東海大福岡の最大の特徴は組織としての力強さ。前線の3人によるハイプレスを合図に、フィールドプレーヤー全員が連動して相手に襲い掛かる。特筆すべきは攻守の切り替えの鋭さと集散の早さ。ボールホルダーをあっという間に2人、3人で囲い込んで時間とスペースを与えない。そして球際の強度の高さを発揮してボールを奪うとシンプルに前線へ。前の3人を走らせて後方から全員で押し上げる。それを1試合を通して衰えることなくやり続けられるのは鍛え上げられたフィジカルの強さがあるからだ。

 対する東福岡は高い技術を駆使してボールを繋ぎ、ピッチの幅を広く使ったサイド攻撃が武器。プレミアリーグWESTに参戦する実力は福岡県のトップであることは誰もが認めるところで、その華麗とも呼べる攻撃的なサッカーは「赤い彗星」の名とともに全国に知られている。サッカーそのものが強度の高さを求められるように変わっていく中で、それを前面に出して戦う相手に対して不覚を取ることもあったが、今年はいい意味での「泥臭さ」を身に付け、ここまで圧倒的な強さを見せつけてきた。

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▽第103回全国高校サッカー選手権福岡予選
第103回全国高校サッカー選手権福岡予選