そして守備の強さは両チームに共通するもの。東福岡は大坪聖央(3年)と山禄涼平(3年)の、東海大福岡は長谷川陸(3年)と鈴木陽太(3年)の両センターバックがゴール前に立ちはだかる。ともにチャンスを作り、ともに跳ね返し、いつ決着がつくとも知れない試合が続く。55分の東福岡の先制点は、伊波樹生(3年)が左サイドからドリブルで中央へ切り込み、ペナルティアーク付近から豪快に右足を振り抜いて奪った素晴らしいゴールだったが、その後の試合の流れは変わらず。どちらに勝利の女神が微笑んでもおかしくない紙一重の戦いが続いていた。
そんな試合の決着をつけたのは途中出場の山口倫生(2年)。大谷からの前線へのロングフィードを追って相手ディフェンダーとの競り合いを制してスルスルと裏へ抜けて右足を振り抜く。これがゴールネットを揺らして2-0。激しい戦いに終止符を打った。
そしてここから3年ぶりの舞台に向けての準備が始まる。「あと5回、しっかり戦って結果を出したい」と平岡道浩監督(東福岡)は目標を口にする。
「やることは変わらない。25年間コーチをしてきたので良いも悪いもたくさん知っている。今まで成し遂げられなかった部分を成し遂げたいと思う。志波先生、森重さんが全国優勝したところを視野にしっかり入れながら、新しい東福岡を作っていきたい」
これまで作り上げてきた伝統をバージョンアップさせた新しい東福岡が、3年ぶりの全国の舞台で何を見せてくれるのか、いまから楽しみだ。
(文・写真=中倉一志)
▽第103回全国高校サッカー選手権福岡予選
第103回全国高校サッカー選手権福岡予選