エースは開口一番、「後半に走れなくなったことを反省したい」と個の手柄を差し置き、運動量が落ちてチームに最大限の力を貸せなかった課題から切り出した。それでもハットトリックに話題が及ぶと頬がだんだんと緩み出し「最初からシュートを打って先に点を取ることだけを考えていました」と、先制してチームを勢いづかせることが目標だったと話した。

 秩父農工科学は後半に入っても攻めの姿勢を崩さず、7分に左MF塩谷心(2年)が中央から鋭い弾道の一撃を放つと、GKの手を弾いてネットを揺らした。さらに39分、主将のCB石渡柊叶(3年)のパスに素早く反応し、守備ラインの背後に抜け出した小澤がゴール左隅に圧巻の4点目を蹴り込んだ。

 いずみは前半から主将のボランチ山中偉武生(3年)が積極的に攻撃参加してゴールを狙い、14分に左MF椎橋怜王(2年)が絶好のタイミングでシュートしたが、ボールの勢いがやや弱くGKに捕球されてしまった。

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▽第103回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第103回全国高校サッカー選手権埼玉予選