熊谷工は惜しくも敗退

 立ち上がりから入間向陽がボールを握り、両サイドから右の尼田真大、左の櫻井快年(ともに3年)がアグレッシブに相手陣営に進出し、外を起点にチャンスをつくった。前半27分、FW神野颯太(3年)が櫻井の右クロスからボレーシュート。神野は39分にも右SB島村昴輝(3年)の右クロスからヘディングシュートしたが、2本とも惜しくもバーのわずか上を通過した。

 熊谷工は4人の守備ラインを中心にしながらも、ポジションにかかわらず全員に高い守備意識が浸透し、ボールへの出足が早く忠実な守りを徹底。攻めを受ける時間帯が長かったが、集中力を堅持してゴールを割らせなかった。

 攻めては左サイドMF相馬優樹(3年)がスピード豊かなドリブルでチャンスを膨らませ、1トップで主将の大西空河(3年)が絡んで時折見せ場をつくった。

歓喜の入間向陽イレブン

 後半に入っても入間向陽のペースは変わらなかった。14分、ボランチ橋村凌雅(3年)の絶妙なスルーパスに主将のアンカー大竹伶樹(3年)が抜け出し、決定的なシュートを放ったが左ポストに弾かれる。22分には交代出場のFW宗形佑汰(2年)がゴール前の混戦からシュート、これも決定打だったが決められない。

 試合は0-0のままアディショナルタイムに突入した。

熊谷工は大西が抜群のタイミングで縦パスを繰り出すと、交代出場していたFW長濱優聖(2年)が抜け出した。GK池田櫂(3年)と1対1になりかけたが、池田に一瞬早く捕球され、得点できなかった。

 6分の追加タイムが4分過ぎたあたりだった。入間向陽は左から右へサイドチェンジすると、右からのクロスを宗形が触り、こぼれたボールを尼田が蹴り込んでほしくてたまらなかった先制点を挙げる。これが決勝ゴールとなり、苦しみながらも初戦を突破した。

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▽第103回全国高校サッカー選手権埼玉予選
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