浦和東 vs 埼玉栄(写真=河野正)

 それでも持ち味である1対1の厳しい応対、ボールへの素早い寄せを継続させて決定的なシュートはほとんど打たせなかった。

 守備でリズムをつかんでいた前半25分、スピード豊かなに攻め上がった右SB菅野琉(3年)が鋭いクロスを上げると、MF村山拓巳(3年)がDFと競り合ったこぼれ球をボランチ河原塚悠太(3年)が豪快に蹴り込んで先制した。34分にはMF田中涼賀(3年)が強烈なシュートを放ったが、GKに捕球されて加点できなかった。

 1、2回戦で計11点を挙げている埼玉栄は、FW加藤佳大やMF小谷野珠羽(ともに3年)ら昨年の経験者が5人先発。攻撃陣には強さ、うまさ、速さが備わり多彩なパターンで敵陣を襲った。ただ相手の守備を完全に崩し切ってからの一撃はほとんどなく、前半22分小谷野の右クロスから加藤が左に外したのが唯一の決定打だった。

 浦和東の前半のシュートは2本で、後半も3本とチャンスは少なかった。そんな中でもひとつ取り切れるのだから、勝負強いチームだ。それまで絶好の得点機が1度もなかった後半34分、左SB大木成柘(3年)が田中の蹴った右CKをファーポストからヘッドでたたき込み、決勝ゴールをものにした。

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▽第103回全国高校サッカー選手権埼玉予選
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