埼玉平成 vs 西武台

 西武台は後半も序盤から主導権を握り、5分に右SB鈴木煌平(2年)が右に外れる惜しいヘッド、6分には竹内が強シュートを放ったがDFにブロックされた。

 選手交代で流れを変えたい埼玉平成は10分、後半開始から送り込まれたFW柳田翔(1年)が、右SB小島陽夢(3年)の蹴った右CKからヘディングシュート。24分にも右CKをMF中村悠亜(2年)が合わせたが、いずれも決められなかった。後半は4本のシュートを記録したが、ゴールネットを揺らせなかった。

 埼玉平成は初めて準々決勝に進んだ第95回大会でも西武台と対戦。0-4で敗れたが、当時は2年生を主体に編成されたチームだった。

 優勝した100回大会以来、3年ぶりにベスト4に進んだ西武台の守屋保監督は、「3点は考えていなかったが、運よく(先制点が)入ってラッキーな試合でした」と述べ、「3点取れたおかげで3年生を使ってあげられた」と4人の3年生を交代で起用できたことを喜んだ。

 2年前のU-16ルーキーリーグで全国4位に入った陣容が3年生となり、同監督は3年生の担任を受け持っている。3年生に出場機会を与えたかったのには訳がある。

 「3年生が引っ張り、練習量は最近が一番多く精神的にも強くなっています。合同練習後には(下級生の)パートナーを買って出ているし、下のカテゴリーの試合にも休みなしで見学に来てくれるんですよ」

 今大会に入る前、3年生で頑張っていこうと結束したそうだ。谷口は「練習もよくこなせるようになり、すごくいい雰囲気で予選を迎えられました」と話す。その谷口と1カ月前からCBを組む2年生の高倉大翔は、頼もしい先輩に感謝する。「隣りの谷口さんと後ろの(GK)松田(聖也)さんが的確な声を掛けてくれるので、短い時間でも戦術や連係などにはすぐに慣れました」と自信を持ってプレーできている背景を説明する。

 プリンスリーグでは不振だが、今大会に入ってチームに一体感が生まれ、たくましい西武台が戻ってきた。

(写真・文=河野正)

▽第103回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第103回全国高校サッカー選手権埼玉予選