山梨学院高等学校vs 韮崎

 これに対し、韮崎も必死のディフェンスで山梨学院の猛攻に耐えアディショナルタイムに突入。残された時間は5分。すると最後の力を振り絞る山梨学院は82分、右サイドDF2鈴木琉斗のスルーパスを「自分が絶対点を取ってチームを勝たせる」強い気持ちでピッチに入った途中出場のFW18関塚力登が落ち着いて相手DFを交わし、土壇場で試合を降り出しに戻すと、その2分後、左サイドからのスローイングを受けたDF5小柳堅也が逆サイドに放り込むと、これをDF4西澤隼斗が折り返したボールがゴール前に溢れたところを関塚が詰め逆転。山梨学院が脅威の粘りで決勝進出を勝ち取った。

 試合後、岩永監督は「カウンターでの失点っていうところまでは想定はしていたので、それで動揺することなく『攻め続けよう』と話しをしていましたが、それを選手たちが本当にやってくれたので良かった」と最後まで諦めなかった選手たちを労った。また「関塚はボール前での嗅覚というか、ボールがここにこぼれそうだなっていうところへの予測とか反応が良い選手なんで、やっぱり、パッと彼がいるところにボールが落ちてるようには見えると思うんですけど、ある面では持ってるのだと思います。彼の中では常に点を取りたい、ゴールに貪欲というところがゴールへ繋がりました」と役割を果たしたことを評価した。

 大会前の怪我で試合に出られない山田逞人に変わってキャプテンマークを巻いた根岸は「去年は引かれる展開で点を取れずに負けてしまったんで、今年こそは全国に行って優勝するというのを目標でやっています。 焦らずじれずに攻め続けることができた」と試合を振り返ると「まだ優勝したわけではないので、この終わった今のところから次に向けて、全員が日常生活だったりグラウンドでの姿勢っていうのを改めて、もう1段ギアを上げてやっていきたいです」と気を引き締めた。

 同点、そして逆転のゴールを決めた殊勲の関塚は「最初左サイドハーフで入ったんですが、島垣コーチに『ちょっとフォワードやらして下さい』って言って、自分もああいうゴール前とか、得点力だったりが武器なので、自分の武器が出せて良かったです」と喜んだ。続けて「選手権は、これまでずっと怪我で(出れず)苦しい思いをしてきたので、今年の選手権は、まず県に勝って全国で結果を残したいとは思います」と決意を述べた。

(文・写真=西山和広)

▽第103回全国高校サッカー選手権山梨予選
第103回全国高校サッカー選手権山梨予選