巧みな試合運びを見せた丸岡だったが、前半終了間際の40+1分にはロングスローのこぼれ球をFW26佐藤星南(2年)に決められ失点。後半は啓新の勢いに飲み込まれてしまう。「中盤でのセカンドボールを拾い合いで、相手に拾われる場面が多かった。相手に前からボール蹴らせないことが前線の選手の仕事だったのですが、それができなかったし、セカンドボールも取れていなかった」。そう振り返るのは安嶋だ。
後半11分には啓新にチャンス。市橋のクリアボールが相手ゴール前に入り、抜け出したFW11高橋侃大(3年)がシュートを放ったが、GK1松永幸知(2年)がセーブ。20分にもFW9籠野友侑也(3年)がGKと1対1のチャンスを得たが、シュートはGKの正面に終わり、同点に追いつけない。以降もロングシュートがクロスバーに嫌われるなど見せ場を作りながらも、スコアは動かせず、2-1で丸岡が勝利した。
苦しい試合展開となったが、それでも勝ち切った丸岡の経験は大きい。歴代の先輩たちも打倒・丸岡を目指すライバルに手を焼きながらも、粘り強く白星を手繰り寄せてきた。今年のメンバーも伝統を絶やすわけにはいかない。安嶋は「これまでの先輩はプレッシャーを跳ね除けてきたので、自分たちもプレッシャーがある中でも、しっかり自分たちのやることやって勝ちたい」と意気込んだ。
(文・写真=森田将義)
▽第103回全国高校サッカー選手権福井予選
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