ハーフタイムのドレッシングルームでは選手同士が意見をぶつけ合ったそうだ。主将のボランチ大和田悠(3年)は、「嫌な時間に追い付かれましたが、ムードは悪くありませんでした。これからどう戦うか、みんなの考えをすり合わせて後半に臨んだんです。いい出来だったと思う」と胸を張った。

 決勝点は13分に生まれた。鹿倉がズドンという勢いのある縦パスをボランチの吉田匠吾(3年)に打ち込む。吉田から中央やや右のMF近藤七音(3年)が横パスを預かると、強烈なシュートがGKの手を弾いてネットを揺すった。

 両チームともこれ以降は大きなチャンスもピンチもなく、2-1のまま時間が経過。4分の追加タイムも消化しタイムアップを迎えた。

 正智深谷はこれで、埼玉予選3回戦から5試合続けて1点差の勝利。8大会ぶりに選手権勝利を挙げた小島監督は「ベンチは気が気じゃなかったですが、粘り強くうちらしい試合を見せられた」と持ち味を出し切った内容が誇らしげだ。

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▽第103回全国高校サッカー選手権大会
第103回全国高校サッカー選手権大会