息の合った連携でゴール前に出てくる流通経済大柏の攻撃を大津が粘り強く凌ぐ構図が続いたが、36分にはDF3富樫龍暉(3年)のロングフィードから、山野がゴール前をフリーで抜け出すと、左上にシュートを突き刺し、流通経済大柏が試合を動かした。「大津があそこまでプレスに来ると、どのチームも見ても跳ね返せない。(ロングボールが)中盤ぐらいまでしか届かないので、少しキック力のある選手を入れて、裏返したかった」(榎本監督)との意図で、右SBとして起用された富樫のアシストが光る一撃だった。

 追い掛ける展開を強いられた大津だが、そう簡単には引き下がらない。「後半(相手は)来るからね。我慢だぞとハーフタイムに話していた」という榎本監督の読み通り、後半からは攻撃のギアを入れていく。

 「前半はなかなか自分たちが思うようなプレーができず、山城先生からもこのまま終わったら後悔ばかりが残ると言われた内容だった。相手に多少ビビっていたので、ハーフタイムには怖がらずに繋いでいこうと話していた」。そう振り返るのは五嶋で、後半はテンポよくボールを動かしながら、MF11舛井悠悟(3年)とMF7中村健之介(3年)のサイドアタックを引き出すと、後半8分には左を仕掛けた中村が中央のMF6兼松将(3年)にパス。そこから大外のDF2大神優斗(3年)に入れて、中へのクロスをFW9山下景司(3年)が合わせたが、GK1加藤慶太(3年)のファインセーブに阻まれた。

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▽第103回全国高校サッカー選手権大会
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