後半、前に出たのは1点を追う國學院久我山。味方同士の距離感の修正が見受けられ、よりスムーズな展開が増える。後半開始早々FW安藤謙生を下げてFW澁谷雅也を投入し、より攻撃的な姿勢を打ち出すとFW澁谷雅也が入った左サイドを起点に攻撃を披露。50分には、左サイドでボールを受けたFW澁谷雅也が仕掛けラストパス。最後はMF宮原直央が狙うもゴールには至らない。チャンスを作り出しながらも、大会を通じて無失点を継続する関東一の守備を崩しきれない状況が続いた。

 対してやや守備に追われる時間が増えた関東一はFW冨山大輔とMF道願翼のポジションを変更し、全体的に中盤に厚みを持たせる布陣で挽回を狙うもここで再びアクシデント。55分、DF大須賀琢真が負傷により退場。関東一は守備陣の怪我によって2枚の交代カードを使用し、リードを奪いながらも苦しい戦いを強いられた。

 ポゼッションを高める國學院久我山と、カウンターを狙う関東一。一進一退の状況が続いた61分、スコアを動かしたのは関東一だった。左サイドからのアーリークロスを中央で競ったMF鈴木隼平が相手DFのファールを誘いPKを獲得。運も味方につけ、ビックチャンスを迎えるとこれをMF鈴木隼平自ら冷静に沈め、苦しい時間帯に関東一が追加点を挙げた。

 やや不運な失点で優勝が遠のいた國學院久我山。FW澁谷雅也の投入後、改善は見られたが一貫して球際のプレスを徹底する関東一の守備に対して後半アディショナルタイムに1点を返すのがやっと。FW小林和樹の意地のゴールで関東一の無失点記録を打ち破るも万事休す。あと一歩のところで優勝を逃す結果に終わった。

 試合は2対1、リードを守り切った関東一が勝利し4年ぶりの優勝。本大会に向け弾みを付ける勝利を飾った関東一、東京王者の次は関東王者を目指す戦いに期待したい。

(取材・文=金子 侑史)

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2015年 関東高校サッカー大会東京都大会