
堀越FW三鴨奏太
そして、この選手も。大会5得点をあげ得点王となった堀越のFW三鴨奏太(2年)。合宿を終えた三鴨だが、その表情は重かった。「悔しい、それだけです。何もできませんでした。手ごたえもあまりつかめなかったです。今回のようなトップレベルでプレーすると、周りに合わせることに加えて、自分の色を出さなければならず、自分にとって初めての感覚で対応できませんでした。トレーニングマッチでも1点も取れませんでしたし…」と悔しさばかりが口をついた。受け答えを見る限り、三鴨はもがき苦しんでいるように見えた。聞けば、主将になったばかり。頭に浮かぶのは今後のチームのことや自分自身のこと。そして今回の選出と次から次へと事象はやってくる。「チームにかかる重圧や個人にかかる重圧もあります。今回、たまたま得点王になり、優秀選手賞に選ばれて、実力以上の期待を求められている感覚があります。その重圧に委縮してしまい、思うような力を発揮できなかったのが今回の合宿。まだまだメンタルが弱いなと」と吐露。そこで挫けてはいけない。そのことは重々わかっている。「キャプテンをやり続けるなか、歴代の先輩たちが選手権にむかっていくなか、自分がそれ以上の成長速度で超えていかないと、1年通して結果が出せませんし自分も成長できません」と悲壮な覚悟を見せた。
選手権大会が終わり、約2週間。あるものは希望を抱き、あるものは期待と重圧に思い悩んでいる。雄大な富士山の麓でそれぞれの心模様が見えた。
(文・写真=佐藤亮太)

