後半に入ってからは川崎が巻き返し、両SBを高い位置に配して攻撃的な布陣を敷いてきた。それでも前橋育英は動じず、市川劉星(3年)と久保遥夢(3年)のCBコンビを中心に粘り強く対応。川崎の得点源・FW恩田裕太郎(3年)にも仕事をさせなかった。しかし、徐々に圧力が高まり、自陣で耐える展開に。「このままではいつか破られると思った」と山田耕介監督が明かしたように、雲行きが怪しくなった。そこで百戦錬磨の指揮官は5バックへの移行を決断。64分に白井に変えてMF平良晟也(3年)をボランチに送り込み、竹ノ谷を最終ラインの真ん中に置く5-4-1で構える作戦を取った。

 このシステム変更が明確なメッセージとなり、前橋育英の守備意識は大幅にアップ。集中力も増し、強固な守りで相手の猛攻を耐え凌いだ。最終盤の90+2分に右サイドを破られ、MF藤井漣祐(3年)にゴールを許したものの、リードを守り切った前橋育英が歓喜の瞬間を迎えた。

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