後半に入ると、暁星高等学校はさらに走り始める。守備の出足が早く、すぐさまカウンターに持ち込んでいく。
 ただ、それに必死で食らいつく東農大一に、シュートは打たれないものの何か上手くいかない、という暁星高等学校にとってはモヤモヤのたまる時間帯に突入する。

 それを打ち破ったのは、前半から全線で体を張り続けた9番と14番のコンビだった。54分、中央から14番が右サイド、9番へパス。そのまま駆け上がり、中央へクロス。そこへ改めてフリーで14番が飛び込みボールを押し込んだ。一連の流れるような動きが印象的なゴールに、暁星高等学校ファンのみならず東農大一サイドからも感嘆の声が上がった。

 ただ、東農大一はこのままやられっぱなしでもいられない。コンパクトに収める暁星高等学校に対し、裏を取る動きが徐々に生きてくる。
 30分過ぎには縦パスを受けた14番からのボールを7番がフリーでシュート。さらに70分には13番からのスルーパスを受けた14番がシュート。暁星高等学校GKが必死のパンチングで弾き、更にこぼれたところを10番がシュートを放つが、これもGKがクリア。チャンスに決め切ることが出来ない。

 給水を挟んでからは暁星高等学校のペース。尽きることを知らないかのようなスタミナで灼熱のフィールドを駆け回り東農大一のリズムを作らせない。結局3対0のまま試合は終了。暁星高等学校はこれでリーグ唯一の負け知らずの3勝2分。残り試合が少なくなる中、順位争いに貴重な勝ち点3を手に入れた。一方、東農大一は上位の暁星高等学校を倒し一気に上位進出を狙いたいところだったが叶わず。折り返しを迎えたT3リーグ、順位争いが熾烈になってきた。

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