東福岡 vs 飯塚

 そして後半、今度は飯塚がリズムを刻む。その先頭に立ったのは後半から出場した金城龍都(3年)だ。

 「自分は前から行けるし、チームの出力を上げるために出る選手。チームを勢いづけるようにと思ってピッチに立った」と話す通り、前線でスピード豊かにボールを追う金城に引っ張られて、チームに前向きのパワーが生まれる。いたるところに顔を出して攻撃のリズムを作る新垣類(3年)と、最終ラインからのロングフィードでアクセントを加える森本快(3年)を中心に東福岡ゴールに迫る。

 ここからゲームは一進一退の展開が続く。共に特筆すべきは高い集中力と守備力。お互いにチャンスの芽は作るのだが、その都度、球際で激しく競り合って、互いにチャンスの芽を摘んでいく。どちらかがわずかなスキを見せれば一気に流れが傾く。しかし、両校ともに高い集中力を切らさない。緊張感あふれる膠着状態のまま試合が進む。そんな試合は、前後半を戦っても、さらには延長戦に入ってもお互いにまったく譲らない。ゴールが生まれないのは攻めあぐねたからではない。勝利へ対する強い気持ちがぶつかり合った結果だった。

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▽令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)福岡予選
令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)福岡予選