試合終盤、追いつきたい日大三島はアディショナルタイムの82分にビッグチャンスを迎える。府川のFKにDF5境海久斗が合わせたが、ゴールとはならず。土壇場での反撃も実らず、試合はこのまま1-0で終了した。

 清水東の武田直隆監督は「内容はともかく、勝ち切ることが大事だった。CBとGKを中心によく守ってくれた」と評価したうえで、「こういう一発勝負では、うまくいかない時間をどう耐え、チャンスをどう活かすか。そういう部分にチームの成長が見えた」と選手たちの粘り強さを称えた。

 一方、敗れた日大三島の石川史也顧問は、「やれることはやった。でも、決めるべき場面で決めきれない、そういう小さな差が結果になる。『惜しかった』で片付けてはいけない試合だったと思う。もっと要求しなきゃいけない部分もある」悔しさの中にも、次を見据える視線があった。

 選手たちがこの敗戦を糧にできるか。夏へ向けて、まだ物語は終わっていない。

(文・写真=西山和広)

▽令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選
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