大和 vs 藤沢清流

 前半は大和が押し込む場面を見せながらも、相手の粘り強い守備に阻まれる。大和・宮澤仁監督は「セットプレーは警戒していたが、相手に勢いを与えてしまった」と振り返る。さらにエースの負傷退場も重なり、流れをつかみきれない苦しい時間帯が続いた。

 それでもキャプテンのFW10片山皓太は「副部長の4番(DF間山晴人)が退場してしまって、全員でその分を埋めようと声を掛け合った」と語る。ピッチの中も応援席も「これが選手権だ」と思わせる熱気に包まれていた。仲間のために戦う意識が、チームを再びひとつにした。

 後半は互いにチャンスをつかみながらもゴールを破れず、勝負は延長戦へ。85分には藤沢清流のFW11木村海虹がサイドから果敢に仕掛けるが、惜しくもサイドネット。均衡が破れたのは94分だった。大和のFW9曽根崎太智が混戦から右足を振り抜き、ボールは回転しながらクロスバーを弾きゴールに吸い込まれる。「もう何も考えずに振り抜いた。ここで勝ち切りたいと思っていた」と語った一撃が決勝点となった。

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▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選