かなり暑い中で、1点のビハインドで前半を折り返した東京実業。後半に巻き返しをはかりたいところだったが、後半開始と共にまたも堀越に主導権を握られてしまう。
後半2分、堀越はFW中込侑が相手の裏でスルーパスを受け、GKと1対1を迎えがGK増田の的確な飛び出しによりゴールにはならず。更に立て続けに、堀越の攻撃。右サイドを突破したMF田中柊から中で待ち構えるFW照井に鋭いクロス。しかしMF照井のシュートは、キーパーに阻まれゴールならず。
東京実業は堀越に攻め込められる時間が長く続くも、集中した守備で耐える。MF萩原陸はハイボールを気合とジャンプ力で跳ね返し、DFラインはDF渡辺巧輝が常に声を出し続けチームを鼓舞し、気持ちで闘う。
そして後半10分、全員で耐え忍び、なんとか1点を返したい東京実業は絶好の位置でFKを得ることに成功する。すると、このFKにMF萩原が打点の高いヘディングで合わせ、見事ゴールに吸い込まれる。大事なチャンスを精神的支柱の選手がしっかりとモノにし、1-1の同点とする。
同点とされた堀越は後半11分、またしても右サイドからの攻撃。DF荒井友星がMF田中を追い越し、ワンツーで抜け出すとこれをDF荒井のシュートで終わるも、ゴールを捉えきれない。後半15分、左サイドでボールを受けたMF斎藤が華麗なルーレットで相手を交わすと中盤にいるMF佐々木響希にパス。そのままミドルシュートを放つも枠の外。その後も堀越は後半17分、18分とチャンスを作るもゴールを奪えない。
対する東京実業は後半から途中出場のFW赤井優太が身体を張ったプレーで前線にタメを作り、少しずつ攻撃の回数が増えていく。後半35分、右サイドから絶妙なクロスがあがる。これに合したのはまたしてもMF萩原。しっかりとヘディングで枠に収めるも、GK諏訪がファインセーブ。
サイドをポイントに的確な攻撃を繰り返し、前線に比べグランダーでのパス交換や連携でゴールに迫る堀越。一方、全員で守備をし気迫でゴールに迫る東京実業。1-1のまま延長戦に突入するかと思われたこの一戦だったが、後半AT、東京実業の選手がボックス内で相手の選手を倒してしまい、堀越にPKを与えてしまう。キッカーはまたしてもDF松尾。両校の選手、応援団が見守る中、DF松尾が冷静にゴールネットを揺らし勝負あり。
ブロック決勝の一戦として行われた東京実業と堀越の試合は、激戦の末堀越が2-1の勝利で2次トーナメント進出を決めた。堀越はMF小磯が途中交代したが、その後もMF田中、FW照井、DF荒井の右サイドでの崩しや、左サイドのMF斎藤のトリッキーなプレーからの崩しなどサイド攻撃から何度も東京実業を脅かした。対する東京実業もFW赤井のポストプレーやFW日名がボールを持った時のプレーが光り、MF萩原、DF渡辺を筆頭に全員で闘う姿勢を見せたが、あと一歩及ばなかった。
(文・写真 石津大輝)