前半の西武台は内容・結果ともにほぼパーフェクトだった。関根雄太監督は「ちゃんとボールを動かしながら、相手を引き出して、背後のスペースを狙うように意識しました。その点で選手はよくやってくれました」と振り返るように、互いの距離感が良く、無駄なパスミスがほぼなかった。また目の前が空いたらドルブルを仕掛ける。サイドに進入したらクロスをあげる。そのクロスにしっかり人数をかけて入る。プレーがとにかくシンプル。ゆえに迷いはなかった。 

 なかでもアンカーを務めたMF6吉田圭佑は牽引者のひとり。「前半、相手が5バックで引いていたので自然と僕のところが空いていました。そこからサイドチェンジ、縦パスを出せる位置にいたので試合を俯瞰してみることができました。シャドー、サイドを使いながら、楽しくプレーできました」と手ごたえを語るほどだった。 

 2点先制した後半。冷たいやや強め雨が降ったためか、動きの重さが見られたり、あるいは3点目にいくか、守り切るのかでの認識のズレなどで市立浦和の攻勢にあった。しかし競り勝てたのは西武台が自立したチームであることが大きい。 

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▽第104回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第104回全国高校サッカー選手権埼玉予選