山梨学院高等学校 vs 東海大甲府

 後半に入ると、試合は思わぬ展開を迎える。51分、山梨学院がペナルティーエリア内で反則を取られ、オノボがレッドカードで退場。10人となる苦しい状況に陥った。それでもチームは慌てなかった。キャプテンのMF8高見啓太が「まずは声で落ち着かせ、ブロックを引きながらカウンターを狙った」と振り返ったように、守備のブロックを整え、冷静にゲームを再構築した。大場健史監督も「1人が倍走ればいい。ポジティブに考えようと伝えた」と振り返る。

 その言葉通り、数的不利を感じさせない集中力を見せた山梨学院は62分、勝負を決定づける追加点を奪う。途中出場のFW19メアス・ソムナンがクロスに反応し、得意のヘディングでゴールネットを揺らした。大場監督は「混戦の中でも粘り強く入り込む彼の特長が生きた」と評価。ソムナン自身も「途中から出るプレッシャーはあったけど、冷静にやればできると思っていた」と語り、胸を張った。終盤も山梨学院は前線からの守備と素早い切り替えでリズムを保ち、東海大甲府の反撃を許さなかった。東海大甲府は74分、FW10勝見周也とFW9澤藤虎太朗のコンビで左サイドを崩したが、シュートは枠を捉えきれなかった。

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▽第104回全国高校サッカー選手権山梨予選
第104回全国高校サッカー選手権山梨予選