後半3分にゲームが動くMF大野が中央でボールを受けると得意の左足でDFの背後に意表を突くスルーパス。反応したMF高橋恒樹が確実にものにし待望の先制点。これでゲームの流れが大きく変わる。キックオフで再開するとボールを奪った成立はMF鈴木へ。DFラインとの駆け引きするFW森田の足元に早いパスが通ると素晴らしいトラップから切り返しでDFを振り切ると放ったシュートはGKの手をかすめてゴールに吸い込まれあっさりと追加点。

 早く1点返しておきたい東京朝鮮中高級学校だがFWリャンへの単調なロングボールが増えてしまい、難なくDF陣に対応されてしまう。それでも相手陣地でのプレー時間が増える東京朝鮮中高級学校が1点返すのも時間の問題かと思われたが19分に成立最終ラインから大きく蹴られたクリアボールにFW森田が懸命に追いかける。東京朝鮮中高級学校GKが足元にボールを収めた一瞬を見逃さずボールを奪いこの日2点目のゴールを奪う。

 最後の最後まで諦めない東京朝鮮中高級学校はDFを前線に上げてパワープレー。それでも最後まで無失点で耐えしのいだ成立学園が東京代表をかけて準決勝に挑む。

(文・写真 佐々木竜太)