九州勢対決を鹿児島城西が制す 長崎総科大附は無念の敗退
第95回全国高校サッカー選手権大会2回戦、共に今シーズンプリンスリーグ九州でしのぎを削った両校が、全国選手権の舞台で激突。180cmを超える2枚のセンターバックを軸に、地区大会では5試合1失点と圧倒的な守備力を誇る鹿児島城西とプリンスリーグ九州を制し、地区大会からここまで5試合28得点と抜群の攻撃力を誇る長崎総科大附の注目の一戦は等々力会場で12時05分にキックオフされた。
立ち上がり、長崎総科大附はサイドを軸に縦への仕掛けからバイタルエリアへの侵入を試みる。一方、鹿児島城西はロングボールを軸に攻撃を組み立てる。ファーストシュートは前半1分、長崎総科大附。クロスボールのクリアをペナルティアーク付近で受けた長崎総科大附FW宇高魁人が胸トラップからダイレクトボレー。しかし、鹿児島城西GK泉森涼太が体を投げ出しキャッチ。前半6分、長崎総科大附スローインのこぼれ球を鹿児島城西MF大脇瑞城が長崎総科大附ディフェンス背後へ。長崎総科大附ディフェンスがヘディングでゴールキーパーへ戻したボールを鹿児島城西FW眞田颯が快速を飛ばしインターセプトするも、長崎総科大附GK湊大昂が冷静に足でブロック。長崎総科大附の猛攻を堅守鹿児島が耐えながらも、カウンターやセットプレーでしたたかにゴールを脅かす鹿児島城西。お互いが長所を出し合い緊迫した試合展開もゴールネットを揺らすには至らず、前半はスコアレスで折り返した。
後半立ち上がり、カウンターからチャンスを作る鹿児島城西。しかし、徐々に長崎総科大附がボールキープの時間を増やしていく。後半5分、不運なアクシデントにて鹿児島城西FW眞田颯が負傷退場。代わってFW福島有貴がピッチへ。後半23分、長崎総科大附MF山本大樹に代わってプリンスリーグでの対戦時にはハットトリックを決めるなど相性の良いFW荒木駿太がイン。この交代を機に、長崎総科大附の攻撃が更に勢いを増す。しかし鹿児島城西も、体を張ったディフェンスと途切れぬ集中力でゴールを割らせない。スコアレスのまま迎えた後半アディショナルタイム。ワンツーでペナルティエリアへ侵入した長崎総科大附の選手が鹿児島DFに倒されたかに観えたシーンも、レフリーの笛は鳴らず。ここでお互い80分の激闘もスコアレスのまま終了し、PK戦へ突入。このPK戦を4-2で制した鹿児島城西が3回戦に駒を進めた。
手の内が分かりきった相手同士の戦いは、長崎総科大附の猛攻をゼロで抑えた鹿児島城西の堅守が勝利を手繰り寄せた。一方、リーグ戦での対戦成績は2戦2勝だった長崎総科大附は無念の2回戦敗退となった。
(文・編集部)