林健太のオーバーヘッド

関東一、歓喜の初V!林健太の鮮やかオーバーヘッドで成立学園撃破!

 激闘の西が丘を経て、迎えるは駒沢ファイナル決戦。
12日、「全国高校サッカー選手権東京予選」の2次予選Aブロックの決勝に悲願の初優勝を目指す関東一と、05年以来の王座奪還に燃える成立学園が登場。定刻通りのキックオフと共に、夢舞台を懸けた一戦の火蓋が切って落とされた。

 今季の対戦成績は1勝1敗1分けと互角の勝負を演じる両雄。
 序盤の主導権争いは成立学園に軍配。4-4-2の布陣から両サイドを広く使った攻撃が目立つと、7分にはビックチャンス。準決勝都立東久留米戦で決勝点を挙げたSB西羽開らが絡み左サイドを抜け出したMF鈴木亮祐がシュート。

惜しくもゴールライン際で身体を投げ出した関東一DF佐藤大斗の好クリアによって阻まれたものの、ポゼッションの高まりとともに、押し込む時間帯が続いた。

 一方、「ある程度想定していた」と小野監督が試合後に語ったように、やや劣勢を強いられながらも、各所で冷静な対応が目立った関東一。これが今季総体予選を制した王者の貫禄か、絶対的司令塔、MF冨山大輔を中心に4-5-1のフォーメンションを敷いて好機を覗う。13分、FKのこぼれ球をFW林健太がシュート。その2分後には、MF菅屋拓未がミドルを放つなどチャンスは散見した。

 スコアレスの展開が続く中、均衡打破は後半開始早々に訪れる。
 45分、関東一はCKを獲得すると、ファーサイド折り返したところに合わせたのは林。鮮やかなオーバーヘッドを叩き込みネットを揺らす。「咄嗟に足を出した」と、ゴールへの強い想いが乗った一撃は、成立学園GK園田悠太の頭上を越え、貴重な先制点を叩き出した。

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