早々の失点で浮き足立っていた実践学園だったが、前半31分、実践学園10番武田の右サイドからのクロスに、7番前原がファーに飛び込み、ゴールに押し込む。これで1-1の同点に追いつく。

 実践学園は10番武田の間受け、7番前原の裏の動き、9番村上が3人目として攻撃にタイミングよく絡むことで相手を翻弄する。更に同サイドで網を張るように6番北條がセカンドを拾うことで攻撃は厚みを増していく。前半はこのまま1-1で終了。

 1-1で迎えた後半6分、ここまでサイドで1対1や精度の高いクロス等、再三職人技を披露していた12番山内の右サイドからのコーナーキックに5番浦が合わせ、ついに実践学園が2-1とリードをする。1点のビハインドとなった関東一はここから頼れる10番篠原が遂にベールを脱ぐ。中盤の潤滑剤として、ボールを絶妙なタイミングで振り分ける。そして、後半30分、10番篠原が自身で得たフリーキックを見事に決め、エースの活躍で2-2と降り出しに戻す。

 ここからは両者更に激しくゴールに迫っていく。関東一は試合立ち上がりかと思わせるような動きを5番加藤が右サイドで見せ、18番貝瀬とのコンビが猛威を振るう。相手のエースを2番関口、4番小野身体を投げ出して封じる。対する実践学園はエース9番村上、10番武田が攻撃を牽引する。2番尾前、3番斎藤のCBコンビは最後まで気を抜かない。

 両者互角の闘いのまま、後半終了のホイッスル。その後突入した延長戦でも決着は付かず、PK戦へともつれこむ。このPK戦を関東一が制し東京予選を制した。

(文・写真 石津大輝)