2点のビハインドの米子北は、後半開始と共に、全力で相手に立ち向かう。11番葉間田が左サイドでいきなり3人をすり抜けるドリブルでチャンスを作ると、プレッシングやパスカットからのカウンター等、前橋育英に迫っていく。しかし、時間の経過と共に、落ち着きを取り戻し始めた前橋育英は、攻撃のポイントを初め中央にもってくることで変化を加え、米子北を混乱させる。更に、2番後藤田と15番渡邊のサイドバックが絶妙なタイミングでサイドを駆け上がる事で攻撃に厚みを増していく。 後半20分には、前橋育英が左サイドからのクロスに19番高橋周がファーサイドに詰め、強烈なシュートを放ち、バーを叩く。更に同27分には、投入したばかりの13番宮崎が体格を活かし、ボールキープからタイミングをずらした巧みなシュートでゴールを決めリードを広げる。試合終了間際、一矢を報いたい米子北は途中出場の18番岡田大和が左サイドを抜け出し、強烈なシュートを放つも、GK湯沢の前にセーブされゴールならず。必死の攻撃を試みた米子北であったが、このまま試合終了。シュート4本の米子北に対し、12本のシュートを放ち3点を奪った前橋育英が3-0の快勝で準決勝へと駒を進めた。試合後、準決勝の相手を「勢いがあり、真面目なチーム」と評した山田監督は次戦に向けて気を引き締めていた。
(文・石津大輝 写真・金澤陵駕)