ボールを保持することが出来るものの、DFラインからより高い位置にクサビが入ると、プレッシャーを強めてくる流通経済大柏に、市立船橋は攻めあぐねてしまう。更に守りから攻撃へと表裏一体の攻撃を繰り出す流通経済大柏に、市立船橋は攻めてる間も一瞬も気を抜く事が出来ない。この構図を市立船橋が変えるべく、後半に臨んだ市立船橋だったが、幸先良くスタートをきったのは皮肉にも流通経済大柏だった。後半3分、16番加藤が左サイドでDFをすり抜け、強烈なシュートを放つ。しかし、これは枠を外れる。更に後半11分、虎視眈々とゴールを狙う流通経済大柏10番菊池が、絶好の位置でのインターセプトからドリブル、そしてミドルシュートを放つ。しかし、惜しくもゴールの外。ボールは持つがゴールまで行けない市立船橋に対してボールを持たずしてゴールに迫る流通経済大柏。同34分、市立船橋はゴール前の混戦から、ボールがエース10番福元の前にボールがこぼれる。相手DFと蹴りあう形でシュートを放つも、これはゴール僅か左。後半38分、対する流通経済大柏8番金澤哲流がスピードを活かしたドリブルで左サイドを突破。上げたクロスに10番菊池がゴール前でシュートを放つも、GK長谷川が鋭い反応を見せはじき出す。しかし、ここに詰めていた14番熊澤和希がシュートを放つとこれがポストを直撃。しかし、はね返ったボールが長谷川の背中に当たり、ゴール。欲しかった追加点をここで獲得する。

 2点のビハインドとなった市立船橋だったが、ここから意地を見せる。後半39分、20番郡司篤也のロングスローを4番岸本が頭で逸らし、5番余合が魂を込めて押し込み1点差に迫る。ロスタイム4分の表示に、身体を投げ出してゴールに迫る市立船橋だったが、ここで試合終了のホイッスル。激闘を制した流通経済大柏が3年ぶりに悲願の全国大会進出を決めた。

( 文・石津大輝 )