後半、先に仕掛けたのは浦和西。左SB21番田中駿弥のロングスローから高さを生かし再三ゴールへと迫る。49分にロングスローからのこぼれ球を10番遠藤寛紀が胸トラから素早くフィニッシュまで持ち込むが惜しくもボールはゴール右へと外れる。スコアが動いたのは53分。昌平が相手陣内で右サイドからFKを得ると8番原田虹輝がゴール前へボール配給。フリーになっていた関根浩平が飛び出したGKより先にヘディングしたボールは無人のゴールに吸い込まれ先制する。このまま流れは昌平に傾くかと思われたが、失点後すぐのベンチワークが成功する。55分に途中出場の7番唐牛七海が魅せる。PA外右サイドでドリブルを開始し、2、3人と相手を翻弄しPA内へ侵入する。最後は懸命に足を伸ばしたDFにつつかれるが、バイタルエリアでボールを拾った11番高橋岬生が右足一閃。GKの手をかすめてそのままネットを揺らし同点弾。スコアは1-1。しかしすぐさま昌平が浦和西を突き放す。71分に右サイドで17番森田翔がボールを持つと中央でプルアウェイで動き出した9番佐相壱明の足元にボールを配給しそのままゴールに向かい走り出す。タメを作った9番佐相壱明からのリターンパスを17番森田翔が受け目の前の相手をかわして左足でゴール右隅へと流し込み2-1と勝ち越しに成功する。 浦和西は高さを生かしたパワープレーで再び同点を狙う。76分の右サイドからのFKで4番福世航大が折り返しを13番田村優人が合わせるが惜しくも外側サイドネットを揺らしゴールならず。最後まで果敢に攻める浦和西だが、昌平GK1番緑川光希を中心に得点を許さない。最後までどちらに転ぶかわからない内容であったが集中力を切らさなかった昌平の勝利で試合終了。観るものを熱くさせた決勝戦は昌平が3年ぶり2度目の優勝を飾り全国頂点への挑戦権を手に入れた。
( 文・佐々木竜太 写真・金澤涼雅 )