ハットトリック達成のFW米谷壮史(写真=矢島公彦)

 高校サッカー界を牽引する両雄が準決勝の第1試合で顔を合わせる。互いにU-18高円宮杯プレミアリーグEASTに在籍しており、今季の対戦成績は年間王者に輝いた青森山田の1勝1分。分が良い常勝軍団が勝ち切るのか、それとも伝統校が12年ぶりの優勝に王手をかけるのか。興味は尽きないが、ストライカーが勝負の鍵を握っている。

 青森山田の得点源は今大会4ゴールのFW米谷壮史。最前線に構えており、狡猾な動きで抜群の決定力を発揮する。FKやCK、ロングスローなどセットプレーに強みを持っているが、最後の局面で仕事をこなす点取り屋の存在はチームにとって心の拠り所になっている。ゴールパターンも豊富でセットプレーに合わせるだけではなく、こぼれ球に対する反応も抜群。裏抜けなども得意としており、相手の守備陣にとって厄介な存在だろう。市立船橋は3回戦を欠場して準々決勝で戻ってきたCB五来凌空(3年)の状態に加え、クオーターファイナルでベンチ外となったCB宮川瑛光(3年)のコンディションが気掛かり。機動力がある米谷が手負いの両CBをどのように攻略するのか注目だ。

【次のページ】 青森山田vs市立船橋はストライカーが勝負の鍵 準決勝展望(2)

▽第102回全国高校サッカー選手権
第102回全国高校サッカー選手権