チームを率いる大方貴裕監督と連携を取りながら、ソッカー部のさらなる発展を目指す(写真=多田哲平)

――なるほど、非常に面白い話でした。では最後にサッカー部としての今後の目標やビジョンを教えてください。

 やはり選手権に出たいと強く思っています。大方(貴裕)監督とも話していますが、チームとして全国制覇という目標を持っていますので、それに向けてやること。ただ、それだけではなくて、慶應義塾体育会ソッカー部の一員として、大学に良い選手を送るというのも大きな使命だと考えています。大方監督とは「プロ選手が出てこないかな」と、そういう夢を話すこともありますね。今、Jクラブにスタッフとして勤めるOBは出てきたのですが、選手としてプロで活躍できる人が出てきたらいいなと。

 さらに慶應義塾のソッカー部を目指して入ってきてくれる子たちは私が部長に就いた23年前よりは増えてきていますが、魅力ある部であることがもっと伝わってほしいと願っています。環境的に難しい面もありますが、そのなかでもこれだけできるのだと、それをより証明していきたい。そのためにも私自身は、現場でしっかり指導にあたってくれる大方監督をさらにサポートしていくつもりです。

――全国大会を目指すうえで、この夏の甲子園での野球部の活躍は刺激になりますね。

 たいへん励みになりますし、勇気づけられます。以前から本校は野球部が甲子園に出たとか、ラグビー部が全国大会に出たとなれば一気に盛り上がりますし、何も言わずとも「俺らも頑張るぞ」と他の部活も活気づきます。我々ソッカー部が2016年にインターハイに出た時も学校中に「ソッカー部、頑張っているんだ」と認めてもらった部分もありました。全校生徒は2200人という大きな集団であるだけに相互作用も大きいので、ソッカー部としても学校を盛り上げていけたらいいですね。

(文・写真=多田哲平)