阪南大高イレブン(写真=会田健司)

 両チーム無得点のまま後半を迎えると、37分に履正社が先に交代カードを切る。左サイドにFW木村有磨(2年)を入れ、MF10倉田竜雅(3年)を左からトップ下に移す。すると「僕がフリーでボールを受けれるようになった」と、この変更で倉田が輝きだす。

 45分、倉田が中盤で前を向いてDFラインの裏にボールを送ると、PA外で走り込んだ河野と飛び出したGK松本勝利(3年)が接触。一瞬早く河野がボールを先に触ったことで、松本のファウルとなり、危険なプレーと判断した主審は松本を一発レッドに。しかしその後、副審や4審を交えて協議を行った結果、レッドは取り消され改めてイエローカードが松本に出された。

 数的不利の状況はなんとか避けられた阪南大高。ボールを履正社に握られながらも、ボランチのMF6福本一太(2年)が気合の入った守備をみせれば、柏のドリブルや池久保のキープ力で食い下がる。

 しかしそれでもスコアを動かしたのは前回王者。65分、「一個前のプレーで前を向いたのにパスで終わってしまって、自分は点を取らせるのも自分で取るのもできる選手になりたいので、次は絶対に一人でゴールまで行こうと決めていた」と中央でパスを受けた倉田が見事なターンで相手を剥がすと、そのまま鋭いドリブルで突破し、GKとの1対1も制しゴールに流し込んだ。

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▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選
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