反撃の狼煙をあげたのはFW平石登衣の直接FKだった(写真=佐藤亮太)

 「勝ち切れたことが本当に大きい」と三菱養和・庄内文博監督。

 今季ここまで良い内容の試合をしながらも勝ち切れない試合が多く、思うように勝点を積み上げられなかったから「ひっくり返せたのは大きかった」と力を込めるのも無理もない。守備陣はケガ人続出。ようやくDF4横川結が今節復帰という台所事情の厳しさがあった。それだけに今節の勝利は意味深い。

 さらに差し迫っていた残留争いから一歩、抜け出せた。

 「厳しいリーグで戦うなか、2点リードされ、勝点3を持ってこられたのはなかなかできない。勝点1でも取りたかったが3取れたことはホントに良かった」と安堵の表情だった。

 その庄内監督にはこんな信念がある。

 「『サッカーが上手いからといって、威張るんじゃない』って言っている。彼らにとって大事なのはその先のことなのだから」と。

 サッカーは勝負事。勝敗は重要だが、そこにいかにたどり着けるかはもっと重要。

 その答えが、庄内監督が試合前、イレブンに伝えた「全力で楽しんで来い!!」。これなのかもしれない。

(文・写真=佐藤亮太)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2023 関東1部
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