修徳 vs 大森学園(写真=松尾祐希)

 迎えた後半。一転して修徳は大森学園の猛攻に晒される。出足の鋭さが増した相手に対し、セカンドボールの拾い合いで競り負けてしまう。中盤でリズムを掴めなくなると、サイドから押し込まれるシーンが散見。特に苦しくなったのが右サイド。49分に投入されたFW若原和(3年)や左SB澤田旭(3年)を止められず、深い位置から何度も抉られてピンチを招いた。56分には右サイドを崩され、最後はFW和田優哉(3年)にネットを揺らされてしまう。同点に追い付かれた修徳は選手を代え、流れを変えに掛かる。ロングボールの比率を増やしつつ、中盤には機動力を配置。セカンドボールの回収率を高め、自分たちの時間を作りにいく。吉田拓也監督の策で徐々にリズムを取り戻したが、決定機を作るまでには至らない。

 時計の針は進み、残された時間は後半のアディショナルタイムのみ。「延長戦の準備を進めていた」という指揮官の言葉が良い意味で裏切られる。80+3分。左サイドでボールを繋ぐと、田島がゴール前にボールを入れてブライアンが収めた。後ろ向きの状態でシュートに持ち込むには不利な状況だったが、ワントラップをすると、オーバーヘッドでゴールを狙う。これがGKの手を掠めてネットに吸い込まれて土壇場で決勝点が生まれた。

 「まさに今年のチーム。やっぱり力がある」(吉田監督)。劇的な幕切れに指揮官も選手たちの奮闘に目を細めた。

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▽第102回全国高校サッカー選手権東京予選
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