修徳イレブン(写真=松尾祐希)

 特に素晴らしかったのは、言うまでもなく土壇場で決勝点を奪ったブライアンの一撃。「オーバーヘッドは遊びみたいな感覚で小さい頃からやり続けていた形。スペースができたら、ゴール前でいつでも狙える。決まって良かったです」。ホッと胸を撫で下ろしたが、今までやってきたことが形になって現れた。春先までは体力面に不安があり、後半途中で足が攣って代わる試合が散見。それでも、地道に積み重ねて夏以降はスタミナ切れをする試合が大幅に減った。今日の試合も足が攣りながらも最後までプレー。土壇場でチームを勝利に導くゴールを決めたのは、成長した何よりの証拠だった。

 今年の3年生は吉田監督が中等部時代から指導してきた世代で、そこにブライアンなどが高等部から合流。左サイドの田島なども実力者で、個性的なタレントを各ポジションに揃えている。最終学年を迎えた今季は6月に関東大会で初優勝を達成。インターハイ予選は準決勝で姿を消したが、十分に全国舞台で戦える力を持つ。

 

 11年ぶりの選手権まであと2勝。有終の美を飾るべく、期待の世代は夢の舞台に向けて一歩ずつ歩みを進めていく。

(文・写真=松尾祐希)

▽第102回全国高校サッカー選手権東京予選
第102回全国高校サッカー選手権東京予選