津工業は後半半ばから逆襲・速攻が決まり始め、そこから活路を広げた。まず24分、右MF中垣廉(1年)が右から軽やかに持ち込み、厳しいマークに遭いながらも中央へ切れ込んでから左足を振り抜き、見事なシュートを蹴り込んだ。さらに2分後、中垣の右クロスを途中出場の林叶希夢(1年)がヘッドで合わせ、あっと言う間に1点差に迫った。

 しかしもう1点が遠く、タイムアップ間際の失点で力尽きた。

 市立船橋の指揮を執った西村秀人コーチは、「朝の試合はうまくいかないことが多かったので、しっかり課題などを話し合って臨みました。負けた後にどんな試合ができるかは、とても重要なので4点取って勝ったことは評価できます」と及第点をつけた。

 とりわけイレブンに求めたのが球際の攻防、攻守の切り替え、運動量といった先輩から受け継いできたチームの伝統だ。

 ただ終盤の連続失点については苦言を呈し、「1試合目も1失点した後にすぐ取られたんです。守備面のスキを修正したい」と全国区の強豪らしく勝っても手放しでは喜ばなかった。

         

(文・写真=河野正)

▽横山杯第24回全国ユース招待サッカー大会
横山杯第24回全国ユース招待サッカー大会