高校時代のMF染野唯月
英国発の、ある記事のなかに次のような一文を見つけることができる。
リバプールの攻撃のほとんどはフィルミーノのドリフトの結果として生まれている――。
ドリフトとは「流れ漂う」といった意味だが、なるほど、うまいことをいうなと思った。
フィルミーノのポジショニングはとらえどころがなく、対峙する相手DFからすれば、実に厄介な存在だろう。センターフォワードながら、ピッチ上で、自由にポジションを変える染野も同タイプといえるかもしれない。
動き方だけではなく、ボールの置きどころや切り返しのフォーム、右利きだけど、左足も器用に使いこなす両選手。どことなく、似ているなと感じるのではないか。
フィルミーノと染野の共通点はまだある。たとえば、かつてボランチでプレーしていたことだ。
子どものころにFWや攻撃的MFをやっていた選手が年齢が上がるに従って、ボランチやCB、サイドバックに下がっていくのがサッカー界の“あるある”。後ろのポジションから前に上がっていくのは珍しいケースなのだ。