しばしば“谷間の世代”などと評される理由でもある。
だが、日本サッカー界を見渡せば、前述のメンバーのほかに岡崎慎司や長友佑都、興梠慎三、東口順昭など、プロのキャリアをスタートさせてからグンと成長し、輝かしい実績を残している選手が少なくない。その点では“遅咲き世代”といった側面があるかもしれない。
ちなみに、86年というと、メキシコワールドカップが開催された年だ。マラドーナ率いるアルゼンチンが6月29日の決勝で西ドイツ(現ドイツ)を3-2で破り、78年の自国開催に続き、2大会ぶり2回目の世界王者に上り詰めた。
その大会期間中に本田や家長(ともに6月13日)、西川(6月18日)は生まれている。
現在、日本サッカー界のなかで、もっとも注目される世代といえば“01年組”だろう。 21世紀の初年度であるこの年の6月4日に誕生した久保建英の存在もあって、一気にステータスを上げた。
今春、高校を卒業し、プロや大学で新たなスタートを切った世代ながら、高校時代にすでにJ1やJ2、J3、ルヴァンカップなどで、プロ公式戦デビューしている選手が多く、さほどルーキー感はない。大きな野望を抱き、高みを目指している。
新型コロナウイルスの影響で、予断を許さぬ状況ではあるものの、“01年組”は来年のU-20ワールドカップ(開催国インドネシア)、さらに24年に控えるパリオリンピックの主軸だけに、今後の成長が楽しみな一群にほかならない。
後編では、日本サッカー界の近未来を担うであろう“久保世代”におけるベスト11を選んでみたいと思う。
(文・写真=小室功)